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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 125

思わず北川は周りを見渡した。駅近くの公園だが寒さと平日の日中と言うことで誰も異変に気づいたものはいなかった。

「旦那!」 

「なあに、ちょっとした悪戯さ」 

そう言うと桐野は立ち上がる。北川は言いたいことは山ほどあったが口の中にそれを飲み込んで歩き出した。

「太子もご立腹ですよ。東都に来て何人斬ったと思ってるんですか?」 

小声でつぶやいては周りを見回す北川。そのおびえた表情に余裕のある笑みを桐野は返す。

「俺は人が斬れるから太子に飼われてやっているんだ。斬れなくなればおさらばさ」 

そう言う桐野に北川は大きくため息をついた。そして周りを見渡すが豊川駅前南公園。ベットタウンの日中。しかも真冬と言うことで長い筒に黒いトレンチコートと後ろに纏めた黒い長い髪と言う明らかに異質な桐野の姿ですら通りを急ぐ中年女性やランドセルを背負った小学生ですが気がついていないように見えた。

「それより・・・悪戯をしている馬鹿。見つけたとして・・・斬ってもいいのか?」 

赤信号に立ち止まった桐野の言葉に北川は頭を抱えた。

「いいわけないじゃないですか!どうせ自分の力も知らない馬鹿が先日の政府の愚策である法術適性検査の無料化で受けてみたら適性があって社会に牙でも向いているつもりなのが見え見えですよ。そんな奴・・・」 

「別にどんな奴でも良いんだ。斬って良いのか?」 

「駄目です」 

北川の言葉に何度か頷いた後、桐野は信号が変わったのを確認して歩き出した。

「旦那。どこに行くつもりですか?」 

「どこ?別にどこでもかまわんぞ」 

「はあー・・・」 

淡々と答える桐野の言葉に北川はため息をつくとそのまま桐野のポケットに突っ込んでいる左手を取った。

「とりあえず協力者の所に行きましょう。旦那はただでさえ目立つんだから・・・」 

そのまま腕を引っ張る北川を死んだ表情で見つめながら桐野はそのまま繁華街のアーケードの方へと歩き出した。

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