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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 126

「よー!仕事は順調か?」 

定時丁度。どう見ても小学生のピンクのダウンジャケットを着た少女の声で誠は我に返った。

「姐御・・・隊は良いんですかね」 

要がやけに上機嫌で豊川警察署の古びた建物の奥の暗い部屋には似つかわしくない満面の笑みの上官クバルカ・ラン中佐に声をかける。

「おー。問題児がここに集まってくれたからな。静かなもんだよ・・・ラーナ。調子はどうだ」 

そう言うとランは手にしていた袋から缶ビールを取り出した。そのまま画面から目を離さないラーナを見てにやりと笑ったランはビールのプルタブを引いた。

「いいのかよ、餓鬼が部下の出向している警察署で飲酒してるぞ」 

「余計なお世話だ馬鹿野郎」 

要にチャカされてもランは上機嫌にごくりごくりとビールを飲む。誠は彼女が戸籍上は39歳であることを以前書類で見せられたときの衝撃を思い出した。

「何か良いことでもあったんですか?」 

さすがにこういうことには厳しいカウラがさらにバッグから二本目の缶ビールを取り出すランを見て苦笑いを浮かべながら声をかける。

「まあー吉田の野郎との賭けに勝ったからな」 

「あの電卓と賭け?」 

要が思わず黙ってモニターを覗いていたアイシャと目を合わせて戸惑う。戦闘用に調整された義体のサイボーグの要も戦闘用に遺伝子操作で生み出されたアイシャやカウラもすでに集中力の限界を迎えていた。誠が目を向けても三人とも憔悴しきっているのが分かる。それを見抜いたとでも言うような笑みを浮かべたランは二本目の缶ビールのプルタブを引いた。

「おう、今回の捜査でいつオメー等が正しい捜査手法にたどり着くかってな。茜の読みどおり。おかげで今日は運転手付きで飲みにいける」 

「勝手に飲んでろ!餓鬼!」 

そう叫ぶと要はそのまま自分の席に戻ろうとした。だがその手をランの小さな手が握り締める。

「おいおい、根詰めすぎだぜ。これから長いんだ。今日は終りにして飲みにでも行こうじゃねーか」 

「それランちゃんのおごり?」 

アイシャが飛び上がるようにして立ち上がる。それを見たランは満足げに頷いた。

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