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遼州戦記 保安隊日乗 時は流れるままに 182

「これってここに弾を入れればいいの?」 
 うれしそうにシャムから渡されたリボルバーピストル、ピースメーカーを手に弾をこめようとするアイシャ。
「うん、そこから一発一発シリンダーを回しながら入れるんだよ」 
 シャムの言葉を聞くと45口径の弾丸を一発づつシリンダーに差し込んでいくアイシャ。その表情は楽しいともめんどくさいとも取れる複雑なものだった。
「結構炸薬の量が多いんだな。大丈夫なのか?」 
 心配そうにシャム達を見つめるカウラ。その手には箱から取り出した一発の弾丸が握られている。
「ああ、大丈夫ですよ。元々こいつはアメリカとかの時代祭りの為に有るような銃ですから。威力はかなり抑えた弾しか手に入りません。まあ炸薬を増やせば威力は上がりますけどどうせシャムが使うんでしょ?意味ないですよ」 
 そうキムが説明している間にアイシャは弾をこめ終わるとそのままターゲットを狙う。
「ハンマー起こせよ!シングルアクションだからな!」 
「わかってるわよ!」 
 要にやじられて言い返すアイシャ。そしてそのまま右手の親指でゆっくりハンマーを起こすとすばやく引き金を引いた。一瞬置いて轟音が響く。アイシャの手の中で滑ったように銃がはねて銃口が天井を向いているのが見える。
 それを見て大笑いする要。しばらく何が起きたかわからないと言うように立ち尽くすアイシャ。
「ああ、ああなるのは仕方ないんですよ。グリップがなで肩ですしいわゆるシェリブズは丸くて握りづらいですから。どうしてもオートに慣れた人が初めて撃つと反動が上に逃げて銃口が天井向くんですよ」 
 キムの言葉に思うところがあったのか、カウラが立ち上がるとアイシャの後ろに立つ。
「私にも撃たせろ」 
 その言葉にしばらくアイシャは目が点になっている。隣で笑っていたシャムの表情も驚いたように変わる。
「ええ、別にいいけど……」 
 そう言ってアイシャはカウラに銃を手渡した。そしてそのままカウラは受け取った銃で30メートル先の標的に狙いをつけた。
「馬鹿やるなよ!」 
 いつの間にかタバコを吸い始めた要。野次馬達も展開がどうなるのか楽しみで仕方がないと言うようにカウラを見つめている。
 静かにハンマーを起こすカウラ。その様子に場はあっという間に静まり返っていた。冬の北風だけが枯れ草を揺らして音を立てている。


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