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遼州戦記 保安隊日乗 時は流れるままに 183

 カウラが引き金を引く。そしてハンマーが落ちる。そして火薬の点火による轟音。最新式の炸薬とは言え、短い銃身では燃焼し切れなかった炸薬が銃口の先に炎の球を作って見せる。
「派手だねえ……こりゃ」 
 タバコを咥えている要の一言。誠が銃口の先を見ればマンターゲットの頭に大穴が開いている。
「結構当たるもんだな」 
 そう言うとカウラは満足したように銃をシャムに返した。
「まあレプリカですからバレルの精度なんかは今のレベルですよ。それにしてもさすがですね、反動をほとんど殺していたじゃないですか」 
 キムに褒められて少し満足げなカウラ。次は私だと言うように要が跳ね上がるように立ち上がった。
「おい!遊んでんじゃねーぞ!」 
 そこに突然少女の声が響いた。振り返るギャラリー。そこには副部隊長のランが手に幼児のような彼女の体と比べると格段に大きい段ボール箱を抱えて歩いてきていた。後ろにはランにじゃれ付こうとするグレゴリウス13世を必死に鎖で押さえつけようとするが完全に力負けしている吉田の姿があった。
「姐御も撃ちますか?」 
 要が茶々を入れるがまるで無視して、そのまま射撃場のテーブルにダンボールを置くラン。
「キム、どうだい」 
 小柄と言うより幼く見えるランにこの射撃場は似合わないと誠は思っていた。時々課せられている射撃訓練のときマカロフを射撃する姿は良く見かけるが、明らかに違和感のある姿だった。
「まあ見世物としては最適ですね。まあ実用性も以前のM500のときよりましなんじゃないですか?」 
 複雑な表情のキム。それを見て頷いた後、ランは段ボール箱を開く。
「今年はクワイがいまいちなんだよ。でもレンコンは猟友会の人で田んぼ持ってる人がいるからちゃんともらってきたよ。今年は凄くおいしいんだって!」
 シャムがカウラから受け取った銃をホルスターに入れて元気良く答える。
「ごぼうは……」 
「ああ、ちょっと待ってね。あれは長いから箱には入らないんだ。だから部屋に置いてあるよ」 
 自信たっぷりに答えるシャム。空き地と見れば耕してしまう彼女らしいダンボールの中のみずみずしい野菜達。他にもにんじん、大根、白菜と売り物にも出来るような野菜達が箱の中に並んでいた。
「なるほどねえ、まったくもってこれじゃあ子供ガンマンだな」 
 ランは呆れたようにシャムをつま先から頭まで満遍なく見つめる。
「ひどい!ランちゃんの方が身長低いんだよ!だから……」 
「身長の問題じゃないだろ?アタシはそう言う格好をするときは場所を考えるんだ。職場ではぜってーそんな格好はしねーよ」 
 苦笑いを浮かべつつ、ランもまたシャムの腰の拳銃が気になっているようだった。

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