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遼州戦記 保安隊日乗 時は流れるままに 185

「しっかしよく集めたわねえ……ちゃんとメモどおりの野菜が揃ってるじゃないの」 
 一人ダンボールの中の野菜を調べていたアイシャが感心したようにため息をつく。誠はシャムがやっていたようにドライバーで銃から空の薬莢を取り出しているキムを見ていた。
「大変ですね。でもこんな昔の銃の弾が安いんですか?」 
 誠の質問に一度顔を上げて不思議そうな顔をした後、今度は銃の分解を始めたキム。
「まあな。需要は結構あるんだよこいつは。英雄を気取りたいのは誰にでもある願望だから、アメリカさんの影響力の強い国で銃の規制がゆるい国なら銃砲店に行けばかならず置いてあるからな」 
 そう言うとキムは慣れた調子でシリンダーを取り外し、そこに開いた大きな六つの穴を覗いている。そしてその頃には警備部の面々も射撃訓練を開始して、絶え間ない銃声が射撃場に響き始めた。
「まあ見世物としては面白かったけど、これで終わりとか言わねえよな」 
 要の言葉に一端銃から目を離して彼女を見上げるキム。
「俺に聞かないでくださいよ。たぶん島田が何か知ってるんじゃないですか?ナンバルゲニア中尉と時々なんか話していたみたいですから」 
 そう言うとキムはシリンダーを抜いた銃の銃身に掃除用の器具を突っ込んだ。シャムのお祝いについて何も知らないようなキムを見つめた後、要はそのままアイシャが中身を確認し終えたダンボールの箱を持ち上げる。
「気が利くじゃないか、西園寺。これじゃあ明日は雪だな」 
「どういう意味だ?」 
 笑顔のカウラに突っ込みを入れる要。いつもよりその表情は柔らかい。アイシャはグレゴリウス13世に引きずられてそのまま隊舎の裏手で熊に対抗しようと踏ん張っている吉田を眺めていた。
「あれって散歩って言うのかしら?」 
「違うだろ、あれはバツゲームって言うんだよ」 
 カウラはそう言うとそのままハンガーに向かって歩き出したカウラに続く。誠もまたそれに続いて歩き始めた。
 ただ誠達は明らかに雰囲気が先ほど同じ道を来た時とは違っているのを感じていた。事実もうほとんど引きずりまわされるだけになっている吉田だが、明らかにちらちらと誠達、特にカウラの様子を確認しているのはアイシャや要もわかっていた。普段は開いていない管理部の裏の窓が開いていてそこから双眼鏡が覘いていたりするのだから、誠にも変化はわかった。

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