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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 141

「それ僕の・・・」 

「小さいことは気にするなよ。それよりカウラよう。得物は特別なのが使えるのか?」 

豚玉を頬張りながら要がたずねてくるのを見て少し馬鹿り気分を害したと言うようにカウラはたこ焼きに伸ばした箸を置いた。

「特別な許可は降りていない。使用可能なのは拳銃と低殺傷火器だけだ」 

「マジかよ・・・アタシ等を殺す気か?」 

そう言うと要は静かにラム酒を喉の奥に流し込んだ。

「低殺傷火器?」 

「あれよ、先日練習したじゃないの。あの毒々しい青色のショットガン」 

「東都警察のは蛍光オレンジのはずだが」 

「カウラちゃん・・・別に色なんてどうでも良いじゃないの。結局弾丸はナイロンバックにゴムを詰めた暴徒鎮圧用の銃器だけ。相手が日本刀振り回していてもそんなものよ」 

アイシャとカウラの会話で誠は今回の事件がかなり危険なものだと言うことだけは理解できた。

「同盟外務省から何とか言ってくれねえかな。『うちはローリーサルウエポンしか使用しませんから手加減してください』ってさあ」 

ラム酒の便を手に自分のグラスに酒を注ぐ要。沈鬱とした空気が場に流れる。

「おいおい、オメー等がそんな弱気でどうすんだよ」 

「姐御・・・弱気にもなりますよ。相手はこれまで8人は斬ってる狂犬ですよ。それと何だかよく分からない能力の持ち主が敵に回る・・・」 

「同時に相手をしなきゃいいだろ?それにいざとなれば拳銃で仕留めるくらいのことはいつも言ってるじゃねーか」 

「姐御・・・」 

いつの間にか誠達のテーブルの隣に立って弱音を吐く要からラム酒のビンを取り上げたランはそのまま半分以上酒が残っている要に瓶を差し出した。

「注ぐならこいつにしてくださいよ」 

要は隣でビールをちびちび飲んでようやく空にした誠に目を向けた。

「え?あ?うーん」 

「そうだな」 

にんまりと笑ったランはどくどくと誠のグラスにラム酒を注いだ。

「クバルカ中佐!」 

「良いんだよ。アタシの酒だ。飲めるだろ?」 

凄みの聞いた少女の表情。誠はいつの間にか頭の中に異常な物質でも発生しているのではないかと言うような気分になってグラスを手にした。

「ぐっとやれ、ぐっと」 

ランの言葉が耳元で響く。アイシャもカウラも決して助け舟を出す様子は無い。

諦めた誠は一気にグラスの中の液体を空にした。そしてそのまま目の前が暗転するのを静かに理解することしかできなかった。


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