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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 150

意外にもコンビニには客が多く見られた。

「結構にぎわってるな・・・まあこれだけ工事現場だらけで他に競争相手も無いんだ。独占企業の利益とかいう奴かね」 

助手席から降りると周りを見て回っているアイシャが降りるのにあわせて体を乗り出した要の言葉。誠は苦笑いでそれにこたえた。

「あそこ・・・駅?なんでまたこんなところに」 

アイシャが遠くの建物を指差す。そこにはいくつもの地下鉄の出口が見てとれた。周りは造成中で枯れた草だけが北風になびいている。

「まともな神経の持ち主なら逃げ出したくなるのも当然だな」 

そう言うとカウラはコートから携帯端末を取り出した。

「水島勉・・・32歳。大手印刷会社の営業部に所属していたが四ヶ月前に退職。自主退職となっているが・・・これは事実上のリストラだな。一部の同期の面々が個人加盟組合をバックにつけて退職の取り消しを求めて裁判で係争中だ」 

「こんなところで無職・・・一日じっとしてるわけ?おかしくなっちゃうわよ」 

「なんだよアイシャ。テメエなら一日中アニメが見れるって喜ぶんじゃねえのか?」 

要の突っ込みに手を叩いて笑みを浮かべるアイシャ。

ただでさえ女性が珍しい埋め立て地のコンビニにエメラルドグリーンや濃紺の色の髪の長身の女性が周りを見渡していると言う状況には昼時の近くの工事現場に出入りしているらしい作業員達の注目を集めるには時間がかからなかった。

「おい、見物に来たわけじゃねえんだぞ。とっとと奴さんのお部屋とやらを拝みに行こうぜ」 

要は手に管理事務所から借りた鍵を持って颯爽と歩き始める。店の前でタバコを吸っていた客の視線は要について動いているのが誠にも分かり次第に自分の頬が朱に染まっていくのを感じていた。

「誠ちゃん・・・どうしたの?」 

明らかに自分が注目を集めていることを知りながら振り返るアイシャ。ただ何もできずに誠はそのままアパートの階段を登る要達の後に続くだけだった。


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