スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 151

生活感が感じられない。階段を登りながら誠が感じたのはその事実だった。

「やっぱり誰もいないアパートはさびしいもんだな」 

あちこち眺めながら要がつぶやく。彼女が寮に来る以前のマンションには他の同居人はいなかったが警備員が駐在していたので何とか人の住むところらしさを感じたが、このアパートにはそんな雰囲気すらなかった。

「こんなところにもチラシを・・・」 

二階に上がった四人の目の前には五つのドアの郵便受けから飛び出す雨に濡れてぐったりしたようなチラシがあるだけで他の気配は何一つ感じなかった。

「203号室ね」 

アイシャはそう言うと鍵を奪って真ん中のドアにたどり着いて電子キーをセットする。鈍いモーター音とともに扉の鍵が解除される。

「何が出てくるんだ?」 

ニヤニヤ笑う要。誠にはただ異様な雰囲気ばかりが感じられて、思わず逃げ出したくなる自分を押さえ込んでいた。

「行くぞ」 

開いたドアに入っていくアイシャに刺激されたようにカウラが誠の肩を叩いて部屋に入るように促す。仕方なく誠も冬だと言うのに妙に暖かい空気が流れてくる部屋に入っていった。

「普通だな・・・」 

靴を脱いですでに部屋の真ん中に立っている要の言葉に誠も頷くしかなかった。染み一つ無い壁。天井も高く白い壁紙に覆われている。

「ちょっとこれを」 

カウラはそう言うと携帯端末並みの小さな機械を取り出した。残留アステロイドデータ測定器。ラーナに与えられた機械を部屋の中心に設置するとその小さな画面に起動状態を示すマークが映りだした。

「これも証拠能力は無いんだろ?」 

「しょうがないじゃない。今のところは水島とか言う人がこれまでの違法法術発動事件に関与している可能性があるくらいのことしか分からないんだもの。これで反応が一致すれば東都警察も彼の犯行当時の動向を捜査してくれるでしょうし、上手くいけば任意で引っ張れるかもしれないわよ」 

「なんだよ、アイシャ。オマエもアイツを引っ張りたいんじゃねえか」 

アイシャの言葉にニヤニヤ笑う要。カウラは一人機械が求めるコマンドを入力していた。


FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト

テーマ : *自作小説*《SF,ファンタジー》
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

プロフィール

ハシモト

Author:ハシモト
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。