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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 152

「それにしても・・・もしかしてこの一室だけですか?入居していた人がいるのは」 

誠の言葉に要は呆れたように頷いた。

「結構いい物件じゃないの。駅は見えるし・・・確かに殺風景で今の季節は冷えそうだけど」 

思わず窓ガラスに手を伸ばすアイシャ。そこからみえるのは基礎工事の為に杭を打つ機械の群れだった。

「まあ・・・この光景がいつまでも続くわけじゃないだろうからな。造成が終わればそれなりの街になるって言うのに」 

「そうも行かなかったんだろ。突然リストラされて・・・何かを変えたかったんだろうな」 

カウラは静かにそう言うと水島勉の経歴書を携帯端末に表示させた。

「一応名門の私大の経済学部を優秀な成績で卒業。その後会社では営業マンとして務めているが・・・成績は芳しくないな」 

「それで結局解雇か。よくある話過ぎて気になるよ逆に」 

そう言いながら要は新品の白い壁紙を撫でていた。ひとたび沈黙が部屋を支配する。

「解雇後は独学で司法試験受験で知られる豊川の明法大学の法科大学院試験に合格・・・」 

「まじめそうな奴だね・・・不器用なのは分かるけどさ」 

要はそう言うとそのまま部屋の中央のアストラルゲージの計測器に歩み寄った。

「これで・・・結果が出るだろうな」 

中央の小さな機械を手に取ったカウラ。そしてそのまま画面を操作する。何も無い空間にいつものようにアストラルパターンデータが表示された。

「これをカルビナに転送して・・・」 

「お仕事終了ね」 

そう言うとアイシャは大きく伸びをした。要は飽きたというようにそのまま玄関に向かう。

そんな二人を見ながら誠はなんとなく外の杭打ち機を眺めていた。

「何か見えるのか?」 

カウラに声をかけられて誠はわれに返った。そして外の建築用機材の群れを見ながらしばらく眺めていた。


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