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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 155

一月も半ばとなれば正月の雰囲気も抜けるものだった。誠はじっと端末を覗き見ながら隣で野球のボールをいじっている要に目をやった。

「そう言えば走ってませんね」 

誠の一言に要はにんまりと笑いそのまま視線を正面のカウラに向けた。

「私は走っているぞ。夜なら時間は作れるだろ?」 

「カウラちゃん・・・危ないわよ。夜中に一人で走るなんて・・・そうだ!誠ちゃんも一緒に走らない?」 

アイシャの言葉に呆れたカウラはそのままモニターに目を移して作業を始めた。

「馬鹿なことを言いてえところだが・・・最近は辻斬りがここらでも出てるからな。得物でも持つか?」 

「だから、ここは胡州じゃないの」 

指で銃の形を作ってみせる要にたしなめるような調子の愛車の言葉が飛んだ。

「動けないのはつらいのは分かりますが・・・」 

ラーナが困ったように机にかじりついている四人を見ながら苦笑する。違法法術発動の容疑者、水島勉の身辺捜査の権限は東和警察が握っていた。放火や傷害などの嫌疑のある事件の発生時刻の水島のアリバイの有無の操作は極秘裏に東都の捜査官達が探っていた。

「しかし・・・奴等は嫌疑が裏付けられたらアタシ等に内緒で逮捕しちゃうんじゃねえのか?」 

ボールをもてあそぶのにも飽きた要の一言に思わず誠も頷いていた。

「先々月の同盟厚生局の事件では見せ場を私達が持っていったからな。今度は手柄を・・・などと言うのもありえる話だな」 

いつもなら苦笑いで済ませる要の言葉に同調しながら微笑むカウラ。アイシャは何度か頷きながら時折ラーナに視線を送っていた。

「どうでしょうか・・・私としてはたぶんそれは無いと思いますよ。虎の子の法術部隊は相手が人の法術を勝手に発動すると言う事件の特性からあまり動かしたくは無いでしょうし、どこまでその能力を水島とか言う被疑者が見につけているかも分からない状況ですから。厄介なところは全部うちに回ってくると思いますよ」 

そう言うとラーナは真ん中分けのおかっぱ頭の髪を手櫛ですきながらモニターに目を戻す。誠はなんとなく釈然としない気持ちを抱えながらモニターの中の再びこれまでの犯行の手口を載せているファイルのデータを読み直していた。


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