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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 157

石灯籠が並ぶ庭。それを見ながら一人の着流し姿の男が剣の手入れをしていた。冬の風が縁側に座る彼の周りを流れていく。それでも綿入れも着ずに男は剣を眺めて満足げに頷いていた。

「旦那・・・寒くないですか?」 

男に後ろから話しかけた北川公平はダウンジャケットに首の周りには襟巻きを巻いて寒そうに手を合わせてさすっていた。

「気合の問題だな・・・」 

答えていると言うよりも自分に言い聞かせている。そんな様子でようやく着流し姿の男、桐野孫四郎は剣を鞘に収めた。

「それより・・・見つかったのか?」 

それまで自分に関心が無いと思っていた桐野の言葉に驚いたと言うように北川は引き戸を開くとそのまま桐野の隣に腰掛けた。

「豊川警察署に勤務中の同志からの情報ですが・・・」 

そう言うと北川は左腕の携帯端末を立ち上げる。そしてすぐに一人の男の顔写真を表示させた。

「水島勉・・・聞いたことが無いな」 

「旦那。それは冗談で言っているんですよね」 

思わず北川が笑いかけるのを見て不愉快だと言うように目をそらす桐野。そしてその視線は鞘に納まった剣に向けられた。

「俺等には天敵になるかも知れませんよ。すぐに斬りかかるのだけは勘弁して・・・」 

「保障はできないな。相手がこちらの能力を奪って来るならこちらもそれなりに覚悟はするつもりだ」 

桐野はそう言うと再び剣を抜いた。突然の動きに驚く北川をあざ笑いながら桐野はすばやく剣を鞘に戻す。

「できれば生きたまま捕まえたいですから。斬るのは最後の手段にしてくださいよ」 

そう言うと北川は立ち上がる。

『この人殺しは・・・そのうち俺のケツにも火がつくかも知れねえな』

心の中でそう思った北川はそのまま暖房の効いた部屋へと戻っていった。

「別に理想があるわけじゃないんだよ俺は。人が斬りたいんだ・・・」 

独り言のようにつぶやいた桐野はそのままうっとりとした目で自分の業物をまじまじと眺めていた。

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