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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 159

「まだ・・・決心は付かないのかな?」 

新しいちゃぶ台に頬杖を付く少年を見ながら水島はなんとも居心地の悪い自分の部屋でお茶を入れていた。

「そちらのお嬢さんは・・・」 

「ご馳走になりますね」 

相変わらず長い黒髪を揺らしながら隣のクリタ少年の保護者と言うような表情で座っている少女。二人の能力をサーチして逃げ出すことはできるかもしれないが、恐らくサーチを始めた段階で気づかれて二人を敵に回すことになるのは分かりきっていた。

「もうそろそろ僕のタレこんだ情報を東都警察もつかむころだよ。それでも・・・」 

少年の言葉に思わず湯飲みに注いでいたお茶がこぼれた。水島はそのまま怒りの視線を少年に向ける。

「お・・・大人をからかうもんじゃないよ・・・」 

「ああ、それなら後三時間くらいこの部屋で過ごすと良いよ。それだけ待てば東都警察も重い腰を上げるだろうからね。それとも動くのは保安隊かな?どちらでもいい話なんだけどね、僕にとっては」 

少しこぼれた茶色い湯飲みをハンカチでぬぐいながら手に取るクリタ少年。彼は自分のことをアメリカ大使館と関係していると常に言う。だがその言葉にはどことなく信用できない雰囲気がまとわり付いていた。隣の少女もクリタ少年以上の法術師の気配は持っているが、無口で何かを聞き出せそうな様子はまるえ無かった。

「東都警察・・・違法法術行使は懲役2年だね・・・これまでの起訴事件は三件。判決が出た一件は法術に対する使用者の軽い思い違いがあったということで執行猶予の判決だったはず・・・」 

「ずいぶん希望的な観測ですね」
 
珍しく少女が口を開く。水島は仕方がないというように水色の湯飲みを彼女の前に置いた。

しばらくじっと湯飲みの中を見つめた後、少女は静かに茶を口に含む。

「死者が出ているからかね」 

「ご存知なら話は早いと思うのですが・・・」 

そう言うと少女は珍しくちゃぶ台の中央に置かれたみかんに手を伸ばした。

「実験材料や戦争の小道具に使われるなら牢屋の中のほうがすごしやすいと思うんだけどな」 

「それも甘いですね。あなたの犯罪については同盟司法局が動いています。同盟司法局は名前の通り遼州同盟の司法執行機関です」 

「だから何が言いたい・・・」 

思わず身を乗り出そうとした水島だが体が言うことを聞かなくなっていることに気づいて恐怖の表情を浮かべて目の前の二人を見つめた。

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