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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 162

『おじさん・・・ピンチなの』 

頭の中でクリタ少年の声が響いた。

「なんでだ!話が違うぞ!」 

「話が違う?なにも俺は話してないですけど・・・」 

革ジャンの男の言葉に水島は我に返った。

「北川。たぶんこいつはどっかの勢力に買われたんだろ。そいつからの思念通話だ」 

落ち着いて分析してみせる刀を手にした桐野の死んだような表情に水島は死を直感した。ゆっくりと刀が振り上げられる。

「飼い主が決まるまで静かにしていれば良かったのにねえ」 

北川と呼ばれた革ジャンの男の笑み。自分が斬り殺されるのを覚悟しながら恐怖に震えるしかない自分に呆れながら水島は考えていた。

『助けてくれ!』 

次の瞬間、振り下ろされた桐野の刀は何も無い畳に突き立てられた。

「逃げられましたね」 

北川はそう言うと水島が消えた畳を丁寧にさする。

「いい飼い主が見つかったようだな。なかなか面白い展開だ」 

畳に刺さった剣を抜くと静かに鞘に収める桐野。その不満そうな表情を見ると北川はいかにも滑稽なものを見たというように爆笑を始めた。

「何がおかしい」 

「旦那・・・せっかくの得物に逃げられて無様に刀を納めるなんて・・・」 

「そういうオマエは逃げられてそのままで帰るつもりか?」 

不愉快そうにつぶやく桐野に笑みを浮かべると北川は長身の桐野の耳元に背伸びをしてつぶやく。

「なあに、俺のテリトリーの中を飛んだだけですよ。場所は割れてます。行きましょう」 

そう言うとそのまま部屋を出て行く北川。彼の背中を見ながら桐野は剣を手に古いアパートの壁をさすりながら用がなくなった部屋を後にした。

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