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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 165

東豊川を流れるゆたか川下流へ向かう堤防沿いの道をヘッドライトをともしたスポーツカーが走っていた。

「ラーナ。間違いはねえんだな?」 

『はい、反応は新東豊川病院で途切れています。再びの法術発動の気配はありませんから・・・』 

ショットガンを肩に担ぐようにして狭いカウラの車の後部座席にふんぞり返る要。誠は身を小さくしてショットガンに何度となく頭をぶつけながら黙って座っていた。

「要ちゃん。もう少し詰めてあげてよ。誠ちゃんが苦しそうじゃない」 

「は?いいんだよ。これで少しは体がやわらかくなるだろ?こいつの投球フォームにはもう少し柔軟性が必要なんだ。このくらいのことには耐えてもらわねえとな」 

屁理屈をこねる要。誠は苦笑いを浮かべながら要の言葉に頷いていた。たしかに最近の実業団のチーム同士の練習試合では腕の振りが鈍っているのは自分でもよく分かっていた。

「それより・・・間に合うのか?」 

「間に合わせてみせるさ」 

要の疑いを愚問だと言うように何もない堤防沿いの道に車を走らせるカウラ。フロントガラスには近辺の地図とラーナから送られてきている法術反応のデータが表示されていた。

「廃病院で鬼ごっこ。こりゃあ楽しくなりそうだ」 

「不謹慎ね、要ちゃんは」

「そう言うオメエも顔がにやけてるぜ。戦闘用の人造人間の闘争本能でも出てきたのか?」 

「まあ否定はしないわよ。でもまあ・・・辻斬りの犯人に茜ちゃんより先にお目にかかれるとは・・・」 

振り向いたアイシャの目がぎらぎらと光るのが誠の目からも見て取れた。

「あのー。嵯峨警視正は?」 

誠の言葉ににんまりと笑う要がいた。その姿に誠の背筋が凍りつく。

「ラーナの奴が連絡済だ。今のところアイツが動いた気配が無いところから見てアタシ等が本当に例の辻斬りかどうか確認するまで動けない状況なんだろ」 

「まーそれは残念。みんな纏めて捕まえちゃいましょうよ」 

「クラウゼ。気軽に言うものだな」 

アイシャを口ではたしなめているカウラ。だがそのバックミラーに映る彼女の顔は楽しいことが待っているとでも言うように微笑みに満ちていた。誠はそんな雰囲気に飲まれないようにと唇を噛み締めて銃を握り締めた。


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