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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 176

「旦那・・・」 

北川は膝を突いてじっと業物『関の孫六』を満足そうに眺めている桐野孫四郎に声をかけた。

「標的が増えたことか?結構な話じゃないか」 

「旦那・・・」 

諦めたような言葉が自然に北川の口から出てくる。それを無視して立ち上がる桐野。それはいつもの殺人狂のそれであり、ただ黙り込むしかできなかった。

「第三勢力か?別に気にすることはない。我々は敵であればそれを斬り捨てるまでだ」

桐野の言葉があまりにも予想通りだったので北川はため息をついた。

「そうも言えないんじゃないですか?今回の剣でこれまでの旦那の趣味がばれましたし・・・」 

「それで貴様が困るのか?」 

「困りますよ!旦那の活動に制約ができれば俺一人で動かなきゃならないことも増えてきますし・・・」 

言葉を重ねるだけ北川はむなしくなってきていた。自分の顔が割れているばかりでなく桐野の顔があちこちに貼りだされることになれば面倒を背負うのは自分だった。他の協力者はいないことはなかったがどれも桐野ほど切り札として使えるほどではない。

「まあ楽しもうじゃないか、今日は。物事はシンプルに考えるのが一番だぞ」 

そう言いながら再び刀を見つめて悦に入る桐野にただため息をつくしかない北川。

「これからどうします?第三勢力の戦力が読めないのは確かですから」 

「逆にそうでなくては困るな。弱いものいじめは性に合わない」 

桐野の笑顔。北川は再び大きくため息をつくと拳銃のシリンダーを確認する。

「まあ旦那は好きに暴れてください。俺は俺でやりますから」 

そう言うとそのまま階段を下りようとした北川だったが桐野の殺気に振り返った。

「そちらは避けるべきだな・・・」 

「どうしてですか?」 

突然らしくもない助言をする桐野に驚いた北川は顔を向けた。

「保安隊は・・・あの嵯峨の部隊だ。手を出して虎を怒らせる必要もあるまい」 

「旦那が弱気なことを言うとは・・・」 

北川は桐野の言葉に頷くとそのまま桐野に続いて廊下を歩くことにした。

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