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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 181

「すると・・・水島を囲ってたのは・・・」 

誠の言葉に苦々しげに嵯峨は頷いた。

「まあ大使館は無関係だと主張しているが恐らく米軍だな。ただしこちらとしても公にそのことを言うわけには行かないな。ベルルカンの失敗国家で何件か選挙が行なわれているが・・・どこでもアメリカさんのお手を煩わせている。下手に外交問題にすれば痛い目を見るのは同盟だ」 

それだけ言うと嵯峨はそのまま病院の建物へと歩き出した。

「そういう事。今回は要ちゃんは正体不明のテロリストに蜂の巣にされたと言うことで終りよ」 

誠にはアイシャの言葉が冷たく感じられた。ただし嵯峨の言うとおりこの惑星遼州の南方に浮かぶベルルカン大陸の混乱収拾が同盟には不可欠な政治上の問題であることは誠にもよく分かる。ただ分かるがあれほどに要を痛めつけた相手を正体不明の死体一つを残して解決しようとする嵯峨の言葉には納得できないでいた。

「不満か?」 

突然頭の後ろから声をかけられてびくりと誠は振り返った。

「ベルガー大尉・・・驚かせないでくださいよ」 

「驚かせたつもりは無いがな。それと西園寺だがすでに義体の予備があったそうだから再調整を二日くらいすれば原隊復帰ができるそうだ」 

「あの馬鹿みたいに高い義体に予備?さすがお姫様は違うわね」 

アイシャがからかうように叫ぶ。もしこの場に要がいれば蹴りの二三発は飛んでいたと想像して誠が笑い始めたときだった。

『何がおかしいんだ?神前』 

突然誠の右腕の携帯端末がしゃべりだした。そしてその声は明らかに要のものだった。

「西園寺さんですか?」 

『他の誰が今の会話に突っ込みをいれるんだ?』

不機嫌そうな声に頭をかく誠。それを見てにやりと笑うアイシャ。カウラは面倒に関わるのはごめんだと言うようにそのまま近くのパトロールカーの回りに群がる捜査関係者の方へと歩き出してしまった。

「身動きとれずにじっとしている気分はどう?」 

『アイシャ・・・あさっては覚えてろよ』

誠の端末から響く声に誠とアイシャは目を見合わせて笑っていた。


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