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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 183

「じゃあ食堂で」 

そう言うと要は居座る気が満々のアイシャを引っ張って部屋の外に消えた。

「なんだかなあ・・・」 

寒さに震えながら着替える誠。そして先日の事件を思い出しながら着替えをした。

水島勉による連続違法法術発動事件は複雑な様相を呈し始めていた。東都でも保守系の野党が国民全員の法術適正検査の義務化の法案を提出。世論に押されて与党もその法案に対する対案として年齢を設定しての義務化の法案を検討していることがニュースの中心として取り上げられることになった。他にも法術適正者の氏名発表を望む意見や遺伝子検査で地球人以外のDNAが検出された人間の排斥を訴える月刊誌まで現れて世間は騒然としていた。

誠は着替えを済ませるとそんな世の中の動きと関係なく静かな冬の寮の廊下を歩き階段を下りる。なぜか食堂には多数の人の気配があって彼を驚かせた。

「西園寺さん・・・なんで俺達まで」 

入り口でジャージ姿で突っ立っている島田。隣の菰田もめんどくさそうにあくびをこらえていた。

「鍛え方が足りねえから鍛えてやろうってんだ。感謝しろよ」 

二人を眺めながら食堂の椅子にどっかりと腰を下ろしている要。奥からは早すぎる食事を作る音さえ聞こえてきていた。

「なんですか・・・寮の全員ですか?」 

「これから忙しくなった時を考えたら当然だろ?法術がらみとなれば茜の法術特捜や東都警察の法術部隊じゃ遅すぎることは分かったんだから」 

「でも要ちゃん。それと私達の早朝強制ランニングと何か関係があるわけ?」 

アイシャは相変わらず不満そうにつぶやく。隣のカウラは要がマメに非番の隊員までたたき起こしたことに呆れるように静かに番茶を啜っていた。

「なんでもそうだが体力が重要だぞ。今回の事件で分かったろ?」 

「誰かはかませ犬になって蜂の巣にされたもんね」 

「アイシャ・・・死にたいか?そんなに・・・」 

「苦しいわよ!要ちゃん!」 

口答えをするアイシャの首を握って振り回す要。その様子に苦笑いを浮かべながら厨房からこれもまたジャージ姿のヨハンが顔を覗かせた。

「簡単なものしかありませんけど。豆のスープと黒パン。そしてベーコン」 

「それだけありゃ十分だ。とっとと食うぞ」 

要はそう言うと先頭に立って朝食を乗せるトレーに手を伸ばした。


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