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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 188

「おかしいな・・・」 

先に男子更衣室でつなぎに着替えた島田は入ってきた誠にそうつぶやいた。

「何がですか?」 

とりあえず自分のロッカーから勤務服を取り出しながらこたえる誠。それをじろじろと主計下士官の徽章を直しながら見つめる菰田。

「分からないのか?すでに運行部の女の子達が全員来てるんだぞ」 

「ああ、あの人達は遅刻の常習犯ですからね・・・」 

誠も菰田にそう言われると異常に気がついた。そして朝の吉田から保安隊運用艦である『高雄』の副長のアイシャにデータが届いたことを思い出していた。

「そう言えば吉田さんからクラウゼ少佐にデータが渡ってましたけど・・・」 

「なんだよ、それを早く言えよ。・・・何か特別任務かね」 

ロッカーの奥の丸椅子に腰掛けた島田が腕組みをして難しい顔で誠をにらみつけている。にらまれて怯みながらワイシャツに袖を通していた誠の後ろのドアが突然開いた。

「遅くなりました!」 

入ってきたのは第三小隊のルーキーであるアン・ナン・パク軍曹だった。突然の出来事に島田が椅子からずり落ちる。

「突然でかい声を出すんじゃねえよ!」 

「すみません・・・」 

しなを作るアン。菰田が苦虫を噛み潰したような表情で隣のロッカーに手を伸ばすアンを避ける。

「でも運行部の隊員が早出・・・読めないな」 

「読めないな」 

いつもは犬猿の仲の島田と菰田が腕組みをして思案にふけっている様は少しばかり滑稽で誠は笑いをこらえるのに必死だった。

「なんか一階であるみたいですね」 

何気なくアンが上着を脱ぎながら言った言葉に二人はアンへ詰め寄った。

「島田さん・・・そんな・・・僕には心に決めた人が・・・」

「そんな話は良いんだ!何を見てきた?何かあったのか?」 

頬を染めるアンの言葉を無視してじりじりと島田の顔がアンに近づく。そしてその心に決めた人がたぶん自分だと想像した誠は好奇心と恐怖の感情が入り乱れるなかじっとアンの言葉に耳を済ませていた。


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