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遼州戦記 播州愚連隊 59

「すまないな……忠満」 
 閣僚を別室に待たせて西園寺基義は12ある客室のひとつのソファーから立ち上がって敬礼しようとする赤松を制するようにしてつぶやいた。ちょっとした会議が開けそうな部屋には赤松の他に陸軍大臣代行の醍醐文隆の他、海軍大臣代行や陸海軍の参謀部長が顔をそろえていた。そして当然のようにその中には参謀の一人として清原陸軍准将の姿もあった。
「越州鎮台府の艦隊は現在濃州の5000キロの地点のデブリを盾にして展開中。すぐに攻撃を仕掛ける様子は見れませんが……」 
「憲兵隊員が全員拘束されたのは知っている。他にも私の支持者が越州で不法逮捕されていることもね」 
 海軍の情報将校の言葉に苦々しげに答えながら西園寺は上座の椅子に腰掛ける。
「今回の反乱……どう思うかね?清原君」 
 西園寺の一言には重みがあった。誰もが清原和人と越州鎮台府長官城一清准将とのつながりは知っていた。これが明らかに帝都に張り付いてにらみを効かす赤松の第三艦隊を引き剥がす目的の芝居なのは分かりきっていた。
「帝国の威信に対する挑戦。そして国内の秩序を乱す愚行としか言えませんな」 
 はっきりとそう断言する清原に生暖かい視線を投げる西園寺や彼を指示する軍幹部達。そして冷ややかな笑みで彼らを見つめる烏丸派の将官の姿を見て赤松は大きくため息をついた。
「現在の状況ではこの反乱行為の鎮圧に動けるのは赤松准将の第三艦隊と醍醐候の近衛師団が適当と思われますが……」 
 そう言ったのは烏丸派の陸軍参謀だった。醍醐は思い切り嫌な顔をして威圧するように立ち上がっている参謀に目を向ける。
「確かにそれ以外の部隊を動かすわけには行かないだろう。外惑星の独立派を囲い込む作戦が失敗すればわが国は国際社会での信用を失う。かといって予備役を召集して帝都近郊の部隊を宇宙に上げるのは大げさすぎる」 
 西園寺はそう言いながらずっと清原を見つめていた。淡々とメモを取り時々端末に目をやる清原はそんな首相の言葉に耳を貸すつもりはないといった様子だった。
「よろしいですか?」 
 誰もが苛立ちを隠せない表情を浮かべている中、静かに赤松は手を上げて発言の機会を待った。


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