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遼州戦記 播州愚連隊 63

「いいんですか?別所さんや赤松提督には……」 
「いいんだよ。別所も赤松のおやっさんもそう言う気遣いは好きじゃないから」 
 楓の心配にそう言って笑う魚住。明石も微笑みながら狭苦しいエレベータが居住区に着くのを待つ。
「それにしても最新鋭の戦艦なんぞに乗ってええのんか?ワシみたいなチンピラが」 
 明石はトレードマークになってきたサングラスを直しながら見下ろすようにして小柄な魚住に目をやった。
「馬鹿だねえ。俺達は切り込み部隊だ。恐らく決起した清原さんの部隊にはあの安東大佐がいるだろ?あの人の猛攻を防ぐとなれば俺ら以外の誰がいるよ」 
 自分を励ますような口調の魚住。明石もその言葉に頷く。
 先の大戦で329機の連合国のアサルト・モジュールを葬ったトップエースの安東貞盛。その『胡州の侍』のデータは教導部隊の隊員として活動している明石から見ても異常としか思えないものだった。反応速度、戦闘状況の判断、そして機体の性能を熟知しての機動はまさに天才の域に達している。明石も正直勝てるつもりなどさらさら無い。
「ほい、じゃあ案内するぞ」 
 考え込んでいた明石のわき腹をつつくと開いたエレベータのドアから飛び出す魚住。
「姫さんには済まないがうちは東和軍みたいに女子の個室は無いからな。明石の隣の部屋を用意したけどそこでいいかね?」 
「かまいません。幼年校からそうでしたから」 
 微笑を浮かべている楓だが、さすがに大荷物を背負い続けて疲れているように見えた。そのまま誰も通らない狭い廊下を抜けて士官用の個室のある区画に入る。
「いいんですか?ここは士官用の……」 
「大丈夫だよ。うちの連中は気が荒いからこっちのほうじゃないと女の子は危なくて仕方が無いよ……じゃあ、そこのドアだ。生体キーの登録は済んでるから荷物をまとめちゃいなよ」 
 魚住の言葉によろよろと敬礼する楓。明石と魚住も疲れているような楓に敬礼を返す。
「若いってのはいいねえ……」 
「ワシ等もまだそないな年でもないやろ」 
 老けたような言葉を吐いた魚住に明石は呆れたようにそう言った。

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