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遼州戦記 播州愚連隊 68

「保科公が……亡くなられました……」 
 別所の言葉に司令官室の赤松は静かに頷いた。西園寺と烏丸の対立を危惧していた巨星保科老人の死の意味するところは一つだった。清原准将貴下の烏丸派の部隊の決起は近づいている。しかし赤松にはしなければならないことがあった。
「準備を。出撃準備の中止を……」 
「それは無理やろ」 
 そう言って手にしていたペンをくるりと回す。実際、別所に言われるまでもなく艦隊指揮官達は誰もがこの出撃を注視するように進言を受けていた。特に陸軍の帝都周辺の守備隊のわずかな西園寺派の一人、醍醐文隆准将には昨日の深夜まで説得を受けていた所だった。
「確かに越州の行動を許せば胡州は分裂します。ですが全艦出す必要は……」 
「あるから出すんじゃ。必要ないのやったら誰もそんなことするわけないやろ」 
 別所の言葉をあっさりとさえぎる赤松。その態度の別所はこの上官があることを決めているのではないかと思って口を開いた。
「清原軍と決戦を行なうつもりですか?」 
 そう言われると嘘のつけない赤松はニヤリと笑った。
「恐らく船の数なら陸軍の佐賀さんの揚陸艦を大量に動員してくるあちらが上や。でもこちらは海軍。宇宙を制するのはお手の物やろ?ワシとしては貞坊……いや安東のアサルト・モジュール部隊がつぶせればいい勝負ができる思うとるんやけど」 
「それならお任せください……と言いたい所ですが……」 
 赤松の挑発に乗るほど別所は自信家では無かった。海軍の教導隊の隊長として何度か安東とは模擬戦を経験しているがすべて安東が勝利している。同じ三式ならば数で押してもどうにかなるだろうが、安東は現在、胡州陸軍で最新式の五式試作戦を使用しての運用試験を行なっている最中と聞いていた。そのスペックは別所も聞いていたので勝ち目が少ない事実も知っていた。
 しばらく黙り込んでいる別所に近づくようにと赤松は手招きする。
「実は……新三の奴が動いてるみたいでな」 
 そう言って赤松は端末の画面を別所に向けてニヤリと笑った。


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