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遼州戦記 播州愚連隊 127

「だが俺は指揮官でもある……この意味は分かるだろ?」 
 醍醐はそう言って怒りに震える参謀達を眺める。彼等は笑みを浮かべる醍醐を見て大きく頷いた。さすがの昌重も極地の寒さで震えるどころか額に浮かぶ汗をぬぐった。
「それも……当然ですね」 
 さすがにその声は震えている。それを聞いて醍醐は満足げに立ち上がった。
「諸君!池の息子の処遇は君達に任せたいと思うのだが……」 
 そう言って背を向けた醍醐を伸びをするようにして昌重が見つめた。一斉に歓喜の表情で参謀達は哀れな昌重を見つめた。
「司令!それは残念ながら……」 
 処断の声が上がる前に叫ぶ声があった。その声の主を探そうと振り向いた醍醐の視界に参謀の一人、馬加資胤(まくわりすけたね)中佐の凡庸な顔が浮かんでいた。
「なんだよ。君等の結論は顔を見れば分かるよ」 
「そうですが、この戦いの意味を考えれば一時の感情に流されるのは得策ではありません」 
 慎重に言葉を選びながら馬加はそのまま言葉を続けようとする。周りの指揮官はその馬加に苛立ちの視線を向けていた。
「これは胡州の内部での私闘だ。戦争法規なんて無視してもいいんじゃないか?」 
「いえ、だからこそ守るべきものが戦争法規なんです」 
 醍醐の言葉をさえぎり馬加が叫ぶ。その声に再び参謀達は馬加にいきり立つような顔を向けた。
「彼はあくまで池准将の意思を伝えに来た。その時点で彼は保護されなければならない。もし彼に危害が加えられれば少数とはいえ池さんの部隊は復讐に燃えて襲い掛かってくる。それにたとえ第三艦隊が我々の支援が無くても勝利できたとしても陸軍は感情で動く馬鹿ばかりというレッテルを貼られることになる……あんまり歓迎すべきことではないんじゃないでしょうか」 
 そんな馬加の言葉にしばらく醍醐は沈黙しながら熟考を始めた。


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