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遼州戦記 播州愚連隊 153

「な、ならば貴官は赤松側に付けと言うのか!黙ってみていろと言い出したのは貴様ではないか!」 
 髭面の士官に表情を殺したように目を向ける小見。その慌てる姿に同調するように佐賀は小見の顔を覗き込んだ。
「いえ、私はどちらにつくかまでは言っていませんよ。ただ見ていればどちらが勝つかは見えてくる。そしてどちらに着くべきかの選択は佐賀高家閣下のご存念に添った形にするのが一番だと申し上げたまでですが?」 
 小見の言葉に一斉に視線が佐賀に集まる。佐賀は慌てたように咳払いをすると静かに椅子に腰を下ろした。
「赤松に逆転の要素は無いのか?」 
 渋々声を絞り出す佐賀。そしてその声でつい笑顔を浮かべそうになった若手の情報将校が驚いたように端末の操作を開始する。
「まだ……始まったばかりだ」 
 それだけ言うと佐賀は黙り込んだ。その表情があまりにも慌てているように見えたので周りの参謀達は不安そうに小見に目を向ける。
 小見は一人、涼しい表情で自分の方に視線を向ける参謀達の視線を浴びていた。
 テーブルの中央のモニターに戦況が表示される。拡大された左翼にはすさまじい勢いで赤松側のアサルト・モジュールを撃墜している清原側のエースの姿が見えていた。
「現在、『播磨』に向けて安東貞盛大佐が攻撃をかけています」 
 淡々と感情を殺したようにつぶやく士官の言葉に会議室がざわめく。
「安東君か。彼はなかなかの腕前だが……彼が出なければならないほどなのか?」 
 佐賀の言葉に情報将校は黙り込んだ。そして佐賀の目は若手のおどおどした情報将校から小見に向けられた。
「いい試金石がいるではないですか」 
 満面の笑みの小見。そしてその笑みを不愉快に感じた佐賀はそのまま視線をテーブルの上のモニターに再び向けることになった。


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