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遼州戦記 播州愚連隊 160

「撤退やて?」 
 明石は機体の状況確認を終えた画面を見ながらつぶやいていた。
『どうしたんだろうな。もう一波攻撃を仕掛けられたら……負けてるぞ』 
 そんな魚住のつぶやきに頷く明石。安東の部隊を半分以上片付けたが部下は一人として生き残ってはいなかった。二人とも周りの機体の残骸を見ながら静かにヘルメットを脱いだ。
「こらまあ……悲惨やな」 
 周りには数知れぬデブリ。それが昨日まで笑っていた人間の操縦していた機体だったとはとても思えない状況だった。
『明石、魚住。すぐ帰等しろ。追撃戦の準備に当たるぞ』 
 別所の冷静な言葉に思わず明石は熱くなるところだった。
「死んだんやで……人が一杯死んだんやで」 
『分かっているが感傷に浸れるほど世の中が甘くないのは貴様も知っているだろ?』 
 淡々とつぶやく別所の顔を見る。すでに割り切ったと言うような表情の黒田がヘルメットを被っていた。
『晋一よう。俺にも一分ぐらい部下の弔いの黙祷をする時間をくれよ』 
 魚住の言葉に明石も大きく頷いた。
『まあいいだろう。だが時間は何よりも貴重なのを覚えておけ』
 別所はそう言うと通信を切った。
「あいつも辛いんや。わかったげなあかんで」 
『言われねえでも分かってるよ』 
 魚住はそう言うと目を閉じうつむく。明石も僧職に有ったものらしくポケットに入れていた数珠を取り出すと金属片の散らばる空間を見つめて静かに手を合わせた。


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