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遼州戦記 播州愚連隊 163

「出撃だ!準備をしろ!」 
 安東はそう叫ぶとパイロット控え室から飛び出した。部下達もそれに続く、そしてそのままハンガーに来た時にようやく異変に気がついた。
 警備兵が整備員に銃を突きつけて整列させている。そしてその指揮を執っているのは艦長の秋田貞義だった。
「何のつもりだ……」 
 そう言うと威嚇射撃がすぐに飛んできた。
「安東大佐。我々はこれから第三艦隊に降伏します」 
 秋田のまじめな表情に安東は顔をゆがめた。
「命が惜しいのか?」 
 秋田は首を振る。そしてその立場も安東には十分に分かった。
 もはや官派に逆転の目は無かった。おそらく今回の逆転劇に一枚噛んでいる親友の嵯峨惟基。あの男を敵に回している以上奇跡は期待できない。そして羽州が官派一枚に染まったとなれば戦後の懲罰はどのような形で彼等の領邦を襲うか分かったものではない。
「降伏は貴様等がしろ。俺は貫くべき信義を貫く」 
 そう言って自分の機体を目指す安東だがその足元に秋田の拳銃の射撃音が響いた。
「大佐はそのまま自室に戻ってください」 
 死んだような目が安東を見つめている。思わず安東は敵意をはらんだ目を秋田に向けていた。
「大佐が動けばさらに赤松准将を怒らせることになります。ですので大佐には……」 
「ごめんだな!」 
 そう叫ぶと身を翻し安東は走り出した。射撃音が響き肩に痛みが走るが無理をしてそのまま控え室の隣の脱出用エアロックに飛び込む。
『大佐!無駄な抵抗はやめてください!これ以上は!』 
 叫ぶ秋田の声がインターホンを通して響く中、安東は大きくため息をついた。

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