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遼州戦記 播州愚連隊 165

「羽州艦隊が降伏……終わったな」 
 パイロットの詰め所で黒田がつぶやくのについ明石は笑顔を見せていた。終わってみれば五体満足で戦いを生き延びたのは隊長の明石達四人だけだった。半数の部下は戦死。他の部下達も多くは回収されて医務室で眠っている。
「終わったとはいえないだろうな……これだけの死者が出たんだ。清原さんはもとより烏丸公も無事じゃあ済まないぞ」 
 別所がそう言いながらコーヒーを飲んでいた。魚住はカップを別所から受け取るとそこに手にしていたフラスコから焼酎を注いで口に含む。
「これから先は政治の話さ。俺達の出る幕じゃない……と言うか出る幕をなくす為に俺達は戦って勝ったんだからな」 
 苦笑いの魚住に頷く明石。貴族の特権の縮小は自然と彼等の権威を裏打ちしていた軍の発言権の制限が行なわれることは誰にも分かることだった。
「ええんちゃうか?兵隊や言うてええ人間ばかりやないやろ?アホもおれば君子もおる。人間なんざそないなもんなんとちゃうか?」 
「おう、やくざにしては良いこと言うじゃねえか」 
 座っている明石の頭をぺたぺた叩く魚住。その様子がおかしいのか黒田が噴出した。
「別所大佐」 
 申し訳なさそうに連絡将校が顔を出した。
「おう、いるぞ」 
 若い将校の方に目を向けた別所。その厳しい表情にひるんだように頬を硬直させる少尉の顔がおかしくてまた黒田が噴出した。
「現在シャトルで清原准将等が逃亡しているとの連絡が入りました……」 
「追討戦か……」 
「そやな」 
 少尉の言葉を聴き終わることも無く四人は立ち上がった。
「けじめはつけたろやないか」 
 明石は三人を見回しながらこぶしを強く握り締めていた。


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