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遼州戦記 播州愚連隊 179

 どすんと佐賀は跪く。そしてそのまま頭を下げた。
「おい、誰も命乞いなんて頼んでねえぞ。腹を切れと言ったんだ」 
 嵯峨の言葉に今度は黙って額を床に摩り付けるほどに頭を下げた。
「新の字。ええ加減にせえよ……」 
 そう言った赤松に向かい振り向いた嵯峨。そこには狂気とも言えるような感情を押し殺した目が並んでいた。そんな旧友に赤松は思わず黙り込んだ。
「御前!なにとぞ!兄の不始末は……」 
「醍醐さん。俺は高家さんと話してるんですよ……ねえ」 
 ニヤリと笑う嵯峨。その様子を見て醍醐も思わず諦めた。佐賀が仕方が無いというように震えながら短剣に手を伸ばした。
「ほう……作法は分かってるでしょ?なんと言っても胡州の貴族様なんだから……」 
 下卑た笑いが嵯峨の顔を覆う。そしてそんな主君を見ながら佐賀は静かに短剣の鞘を払った。
「やめてくれ!兄上!」 
 醍醐はそう叫ぶと兄である佐賀の手を思い切り叩いた。短剣が廊下へと転がっていく。
「おう……いい兄弟愛だ……忠さん。どうしましょうか?」 
 今度はふざけた調子で振り返った嵯峨だが、その目の前には赤松のこぶしがあった。
「ホンマに!ええ加減にせえよ!人の命で遊ぶのは……」 
 よろけた嵯峨。その口元に血が浮いていた。それをぬぐうと嵯峨は今度は片膝を付いて醍醐の肩を叩いた。


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