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遼州戦記 播州愚連隊 181

「暇やな」 
 そう言いながら明石はこってりと油の浮いたラーメンを啜っていた。その目の前では静かに楓がどうしたらいいのか分からないように座っている。
「いいんだよ、好きに食えば」 
 魚住はもうすでに頼んでいた替え玉が来るとそれをラーメンの中に入れてしまった。第三艦隊クルーは久しぶりの休日を楽しんでいた。パイロットは三分の一が戦死。明石も例外ではなくこの数日は戦死した部下達の家を訪問して頭を下げる日々が続いていた。
 官庁街や上流貴族の住む屋敷町などは今でも多くの武装した治安維持部隊が闊歩しているがこういった下町にくると猛すでにそんな堅苦しい雰囲気は抜けていた。
「おやじ!ワシにも替え玉や」 
 そう言うと明石はどんぶりをカウンターに載せた。うれしそうに頭を下げながら麺を湯に投ずる大将。
「しかし……別所の奴も災難だな。しばらくは海軍での官派の取調べがお仕事だ。パイロット上がりの俺等にはつらいよ」 
「それを言うなら一番の悲劇は黒田やろ。付き合いがいいのも考えもんや」 
 大将が差し出した替え玉入りのどんぶりを受け取りスープに麺をなじませる明石。その様子にようやく踏ん切りが付いたというように楓は麺に箸を伸ばす。
「そのまま麺を取ってだし汁につけて食べる。簡単だろ?」 
 そう言いながらチャーシューをかじる魚住。上官の言葉に仕方が無いというように楓が麺をだし汁につけた。
「しかし……あの噂はほんまやろか?」 
「噂って?」 
 魚住のとぼけた表情に明石は大きくため息をついた。
「あの中央突破を狙った官派の部隊がとんでもない望遠距離から狙撃されて流れが変わったって言う噂だよ」 
「そら初耳やな。詳しく話せ」 
 箸を握りなおした明石は興味深そうに魚住の顔を見つめていた。


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