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遼州戦記 播州愚連隊 186

「なんや……女子(おなご)同士がええんやな」 
 赤松の言葉に楓が頬を赤らめる。その話を初めて知った明石達はただ呆然と楓を見つめていた。
「そういうわけ。じゃあ別所君、車を」 
 貴子の言葉にはじかれるように別所と明石が走り出した。
「いろいろ大変ですね、嵯峨殿も」 
「まあね」 
 黒田の言葉に嵯峨は大きくため息をついた。
「それにしても……むなしい勝利ですね」 
 魚住の言葉。それを避難するように貴子が振り返った。弟の信念を貫いての死。それを受け止めている彼女には魚住の言葉は軽はずみに思えていた。
「まあ……あれや。人間の人生は一度しかない。ワシも貞坊もそれをかけて動いた。そしてそれに付き合って死んじまった人間がいる。そういう事実は受け止めとかんとな」 
 そんな言葉を言って視線を上げた赤松の前にもうすでに別所のセダンと明石のワゴン車が止まっていた。
「おう、それじゃあワシは別所の車に乗るから……新三と楓は明石のに乗り」 
「俺と黒田も明石のには乗れるでしょ」 
 魚住はそう言うと嬉々として明石の黒いワゴン車に向かう。
「やっぱりたくさん乗れると便利やのう」 
「そのうちパシリに使ってやるよ」 
 明石の言葉に返す魚住。そのまま車止めに止められた車の後部座席の奥へと嵯峨が身を滑り込ませた。
「陛下、助手席の方が広いですよ」 
「いいんだよ。楓、隣に座れ」 
 嵯峨の言葉に嫌な顔をしながら窮屈そうに楓は座席に体を押し込んだ。


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