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遼州戦記 播州愚連隊 191

「ところでそこの坊さん」 
「ワシのこと……」 
「そういうこと」 
 明石は突然嵯峨に声をかけられて当惑していた。着流し姿、丸腰でまるで殺気を感じない姿は逆に奇妙に見えた。
「お前さん達もこの戦いを生き延びたわけだ。だがこれからどうなるか分からねえぞ。何が起きるか読めない時代だ」 
「新三が言うことやないんとちゃうか?」 
 赤松の突込みを無視して嵯峨は話し続けた。
「何かを得るには何かを捨てなきゃいけないものだ」 
「そうかもしれませんね」 
 後ろからいきなり声をかけられ嵯峨は驚いたふりをするように振り向いた。そこには疲れたような表情の別所が立っていた。
「なんだよ……あれか?車に忘れ物とか」 
「まあそんなところです」 
 そう言うと別所は手にしたものを一人墓の前に跪いている恭子に差し出した。
「安東大佐の遺髪だそうです」 
 小さな紙袋。恭子はそれを握り締めると胸の前に抱いて黙り込んだ。
「これが現実さ。俺や忠さんもこれから貞坊の分まで生きなきゃならなくなる」 
 黙って蹲っている恭子を見ながら嵯峨は大きくため息をついた。


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