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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 12

「ザル検査。やっぱり厚生局は最初から仕組んでたわけ?」 

「クラウゼよー。そこまで厚生局を悪者にすることねーんじゃないのか?」 

 落ち着いた様子でどっかりとランが腰を下ろした。つられるようにアイシャも誠を囲んで座り込む。

「いわゆる演躁系の能力には二種類のパターンが存在するんだ。そしてその研究が始まったのはつい最近なんだ」 

「へえ、アメリカさんとかは遼州入植以来の研究でずいぶんたくさん研究してたはずなんだけどな」 

「要よー、科学は万能じゃねーんだぞ」 

 話の腰を折られて口を尖らせながらランは話を続ける。

「演操系って言うとよー。どうしても操る相手の意識そのものに介入して動きを制御すると思うだろ?確かにそう言う能力の持ち主の割合は高けーんだけど・・・」 

「なんだよそれは?操るんだから意識も乗っ取るんだろ?それともあれか?意識はそのままで体だけ動かすとか」 

「要ちゃん!その能力欲しい!」 

 突然叫んだアイシャに誠達は冷たい視線を投げた。仕方が無いと言うように口を押さえてアイシャがそのままうつむく。

「それじゃーねーよ。意識云々の話は能力の強弱であってここで言う能力の種類とは違うんだ。それとなんでこの第二の演操術が分からなかったかと言う理由もそこに有るんだ」 

「もったいつけるじゃねえか。ずばり言えよ」 

 短気な要はタンクトップの下から手を入れて豊かな胸の下の辺りをぼりぼり掻いている。思わず目をそらす誠にむっとしたような表情のカウラが映って誠も視線を落とした。

「ふー。まー能力を乗っ取るんだ」 

「どういう意味ですか?」 

 首をひねるカウラに少し笑みを浮かべてランは口を開いた。

「つまりだ、標的とする法術師の能力を借りて自在に操る。まー人の褌で相撲をとるって奴さ」 

 ランはそう言うと自分の胸に手を伸ばしてきた要の頭を思い切り叩いた。


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