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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 35

 しばらく誠は沈黙していた。

「大して汗もかいてねえんだろ?とっとと上がれよ」 

 扉を直している要。その目の前で食って掛かるには相手が悪すぎるとうつむきながら自分の個室に戻るアンがいた。

「でも非常識ですよ。男子用シャワー室に乱入なんて」 

「は?いつも飲むたびに股間の汚えものを見せ付けて踊っている奴のいうことか?」 

 その言葉に誠は何もいえなかった。酒は弱くは無いが飲むと記憶が飛んで気が付くと全裸と言うことが何度も繰り返されていたのでレールに扉を乗せようと動かしている要を一瞥するとそのまま髪を流した。

「僕は・・・」 

「黙ってろよ」 

 アンにそう言うと誠はシャワーを頭から浴び続ける。だんだん体中の石鹸の成分が抜けていくような感覚がなぜかいらだった気分を切り替えてくれていた。

「おい、終わったからな外で待ってるから」 

 そう言うと扉を取り付けなおした要はドアを閉めた。しばらくシャワーの水の音だけが部屋に響く。

「よしっと」 

 誠はお湯を止めるとそのまま廊下に出てあることに気づいた。

「あ・・・勤務服は更衣室だった」 

 その一言に振り向くアン。だがドアの外にはさらに耳に自信のあるサイボーグの要がいた。

「おい、取ってきてやるからそこにいろよ。ロッカーのバックの中か?」 

「ええ、勤務服は吊るしてありますから」 

 要の気配がドアから消えた。

「やっぱり西園寺大尉のことが好きなんですね・・・不潔ですよ」 

 アンはそう言うとそのままシャワー室のかごの中のタオルで体をぬぐい始めた。

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