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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 44

「豊川警察署・・・島田君がいたら逃げ出すわね」 

 自分のピンク色の髪をなでながらパーラは後部座席に乗り込む誠達を見ていた。明らかに人造人間と分かるその髪の色。恐らく夜中の警察署では目立つだろうなどと考えながら誠は要に押し込まれて三列目のシートに押し込まれた。

「別に交通課にお話がある訳ではないですもの。これもお仕事。割り切ってもらわないといけないですわね」

 そう言いながら助手席の茜は後ろでニヤニヤ笑っているアイシャの顔をのぞき見た。

「それより何があったんですか?まさか例の他人の法術能力を使って悪さをする暇人が何かこの近辺でやらかしたとか・・・」 

 アイシャの問いに答えずにそのまま前を向いてしまう茜。そしてカウラの乗車で車は動き出した。

「ちゃんとベルトはしてくださいね」 

 そう言った相手が要なのは誠もすぐに分かった。いそいそと要がシートベルトを締める。

「何をしたんですか?」 

 カウラの問いに一度ためらった後茜は口を開いた。

「今度は時空間制御系ですわ。能力者は70代の女性。自転車で走っていたところで急に自転車が加速しているように感じられて下りてみたら時間がずれていて転倒って話よ」 

「なんだよ婆さんが転んで怪我でもしたのか?それでも事件かよ」 

 要の言葉を聞くと機嫌を損ねたというように茜は前を向いてしまう。パーラはそんな車内のごたごたに関係したくないというように警察署に続く大通りへと大型の四輪駆動車を進めた。

「一応法術の発動に許可が必要になったのは皆さんもご存知ですわよね。神前曹長!」 

「はい!」 

 同い年とはいえ一方は司法局のエリート。誠は士官候補生崩れの新米下士官。呼ばれたら答えるしかなかった。

「法術の発動は市街地では自衛的措置以外は原則として全面禁止。違反した場合には30万円以下の罰金か6ヶ月以下の懲役が科せられます!」 

「・・・ということですわね」 

 先ほどあれほど飲んでいたのが不思議に思えるくらい平然と茜はそう言って振り返った。


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