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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 51

「あっお嬢さんいらしたんですか?」 

「吉田少佐。そんなに卑屈にならないでいただけます?」 

 いつものように優雅に空いた丸椅子に腰掛ける。当然のようにその隣には荷物を持ったラーナが立っている。

「卑屈にもなりますよ・・・捜査に関しては嵯峨の親父が助けを呼ぶまで手を出すなって言われてますし」 

「じゃあさっきの話だとすでに手を出しているみたいですわよ」 

 いつもの氷のような流し目で吉田を一瞥して黙らせるところは茜の父が遼州一の悪党と呼ばれる嵯峨惟基であることを再確認させた。

「でも今のうちに事件を起こして喜んでいる馬鹿をあぶりだすのは得策じゃねえのか?今は人死にが出ていないんだ。そのうち暴走してどうなることやら・・・」 

 要の言葉には誠もカウラも頷くしかなかった。

「でもそうなれば東都警察は面目丸つぶれよね。税金泥棒の地位がうちから移るのは結構なお話だけど・・・」 

 鉄製の重い胴を外して伸びをしながらのアイシャの言葉。誠はやはり自分が組織人であることを再確認した。

「よくわかっているじゃねーか」 

 そう言って歩いてきたのはすでに勤務服に着替えを終えて半分笑顔を浮かべているランだった。

「今回は多少は東都警察に活躍してもらわなきゃなんねーんだ。きついぞ、人に手柄を取らせるってのは」 

 頭を掻きながら部屋の隅の折りたたみ椅子を小さな体で運んでくるラン。

「クバルカ中佐!お願いがあるんですが!」 

「アイシャ・・・萌えたから抱きしめさせてくれってーことならお断りだかんな」 

 アイシャを警戒するような瞳で見つめるラン。それをみてカウラが噴出しそうになる。

「信用無いですねえ。アタシ」 

「まあいつものことだからな」 

 そう言いながら要は小手を外す作業に取り掛かった。

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