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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 53

「いいんですか?隊長の許可は・・・」 

 カウラの言葉ににんまりと笑うラン。そして満足げに頷くと足袋を脱げないでいるカウラの足に手を伸ばした。

「おい、ちょっと足を上げろ」

 いきなり手を出されて驚いたカウラはランに言われるままに足を上げた。そしてそのまま椅子の横棒に載せた右足の旅をとめている紐を緩め始めるラン。

「実は・・・おやっさんから言われててな。今回の件。誰か志願する奴がいれば捜査に当たらせてやれってよー」 

 器用に紐を解いていく小さなランの姿を見ながらアイシャが少しだけ目を潤ませていた。

「ランちゃん・・・」 

「おやっさんのお考えだ。それとアタシのことを今抱きしめてみろ・・・ぶっとばすからな」 

 そう言われるとアイシャはがっくりとうつむいてしまう。それを見ながら黙々と作業を続けてワイシャツに袖を通している要が大きく頷いていた。

「叔父貴だからな・・・で、現在の豊川署の捜査担当の部署は?」 

「あそこは捜査二課だそうだ。しかも専従捜査官はいねー」 

 ランはカウラの右足の足袋を脱がせると今度は左足に取り掛かる。そしてそんなランの言葉に予想通りだというように要は口笛で応じた。

「軽犯罪ですか・・・まあ法術の違法発動だけならそんな感じですよね」 

 誠も胴丸や上半身の小手などを自分でとって足袋を脱ぎ始める。その様子を確認するとランはそのままカウラの左足の足袋を脱がせた。

「まあそんなところだ。危機感が足りねーんだろうな。この前はあれほど大騒ぎしたのに被害が小さければなかったことにする。まったくお役所仕事って奴さ」 

「アタシ等もお役所ジャン」 

「くだらねーことやってねーで早く着替えろ!」 

 ランの言葉に舌を出すと要はすばやく鎧の胴を元の箱に戻した。

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