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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 62

「アタシ等はこの豊川に犯人が来ていたときに意味があるから出向してきたんだ」 

「そうよ。当然じゃないの」 

「はー・・・」 

 アイシャはまだ分からないと言うような表情をしていたがその曖昧な顔が突然ゆがんだ。明らかにアイシャも要の言いたいことがよく分かったようだが彼女が要に頭を下げるつもりがないことは誠にもよく分かる。

「犯人を捕まえなきゃ意味がないんじゃないの?」 

「そこまでは私達の仕事の範疇じゃ・・・」 

「カウラちゃんは黙っていて!」 

 八つ当たりを食らったカウラが口をつぐむ。誠は噴出しそうになりながらいらいらしているアイシャを眺めていた。

「なんだよ。別に戸別訪問をしようというわけじゃないんだ。すべての転居に関わった不動産屋を訪ねて回る。簡単なことが分からねえかなあ」 

「そんな・・・一応不動産業者も個人のプライバシーに関することについては・・・」 

 そう言いながらアイシャは頭を掻いた。元々そう言う任意の捜査においてはかなり高圧的に対応して結果を残すのが得意な要である。プライバシーとか守秘義務などという一般社会の常識は要の捜査にはありえなかった。

「おう、抗議するんだろ?さっさと言えよ」 

「むー・・・」 

 膨れるアイシャだが、カウラの携帯端末が着信を注げたことで誠達の興味はそちらに移った。

「はい、ベルガー大尉ですが・・・」 

 端末に出たカウラ。要は卓上の画面を操作して相手の画面を映し出す。そこには先日この部屋に誠達を押し込めた杉田という警視の顔があった。

「・・・今度はパイロキネシス暴走です。場所は・・・」 

 誠達はすでに自分達が後手を踏んでいることにようやく気が付くことになった。

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