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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 69

 そしてそのまま応接室のようなところに通された。誠は贅を尽くした部屋の調度品に目を奪われた。

「おい、儲かるんだなあ・・・不動産屋は」 

 要の嫌味にただ乾いた笑いを浮かべながら男はソファーに腰掛けた。

「ああ、お嬢と・・・連れの方」 

 男は手でソファーに座るように合図する。にんまりと笑った要はそのまま中央にどっかりと腰を下ろした。

「忙しい中来てやったんだ。茶ぐらい出せよ」 

「わ・・・わかりました」 

 そう言うと男は振り返り大きすぎる社長の机の上のボタンを押した。

「お前さんなら聞いたことはあるんじゃないか?法術師適正のある人に部屋を貸すのを拒否している業者があるそうじゃないか」 

 悠然とタバコを取り出す要。カウラとアイシャが嫌な顔をするが男は気を利かせたように応接セットの大きなライターに火をつけて要に差しだす

「ああ・・・この業界もいろんな人がいますからねえ」 

「どう見てもやくざに見える人とか?」 

 アイシャの皮肉に男の米神がぴくりと動いた。

「なあに。法令通りの商売をしている善良な市民に迷惑をかけることはしないわよ・・・ねえ、要ちゃん」 

「そうだな・・・で・・・だ」 

 曖昧な相槌の後で要は手持ちの端末をテーブルに置いた。そして画面を起動させるとそこには豊川市内の不動産業者の一覧が表示された。

「豊川はなんと言っても菱川系企業のお膝元だからな。不動産屋も系列が多い。そしてなぜかここの系列のお店は法術師がお嫌いと見えてアタシの耳にも入居拒否や転居要求の話が届いてきている」 

「大手はそういうところには敏感ですからね」 

 タバコをふかす要がリラックスをしているのを見て男は安心したように笑みを浮かべた。

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