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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 70

「まあそんな大手に割高な仲介料を払えない連中となると・・・駅前の三件はかなり法術師にはつらいですからね」 

 男はそう言うと静かにタバコを取り出した。嫌そうな視線を向けるカウラだが、要がそれへのあてつけのように自分のジッポライターを取り出す。

「すいませんね・・・」 

「こんなサービスはテメエじゃ無理だったろ?うれしいか?」 

 要がかつて胡州陸軍特殊部隊員として東和の沿岸部の租界での非合法物資の取引ルートを巡る利権争い『東都戦争』で潜伏して娼婦として情報収集を行なっていたことを誠にも思い出させた。

「となると・・・南商店街の二件」 

「ああ、そこはうちじゃないですが・・・堅気じゃない連中が関わってますから」 

「おう、参考にするわ」 

 要は男の指定する店にしるしをつける。そしてそのまま画面に映る商店街の店を眺めながらスクロールさせた。

「かなり絞り込めるな・・・今回の事件の犯人。手口からして素人。そうなるとここみたいな危ない経営者のいるところは避けるだろうから・・・」 

「姐さん。勘弁してくださいよ」 

 淡々と自分を斬って捨てた要に泣きを入れると静かにタバコをふかす。

「でも私もそうだけど分かるの?不動産屋のどれが危ないとか、どこが法術師には紹介しないとか」 

 アイシャの言葉に一瞬要の手が止まった。

「オメエ・・・この店の経営者がこいつだって分からなかったのか?」 

「そういう事がすぐ分かるのは西園寺くらいの経験が必要だろうな」 

 そう言うとカウラは自分の顔に向けて流れてくるタバコの煙を仰ぐ。そして要はしばらく放心したように黙り込んだ。


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