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遼州戦記 保安隊日乗 番外編 (2) 71


「うわー」 

 感心してコードを見上げるシャム。アンはそれを見ながら彼女の袖を引っ張った。

「シャムさん。これでなんとかなるでしょ?」 

 再び降りかけたコックピット前の通路に飛び上がった島田にアンはうなづきながら口をあんぐりとあけて天井を見上げているシャムの肩を叩いた。ようやく我に返ったシャムは恥ずかしそうに頭を掻きながらコックピットの隣に据え付けられている制御用端末に足を向ける。

「アン君、搭乗!」 

 シャムの言葉にはじかれるようにしてアンがコックピットに滑り込む。しばらく端末のモニターを眺めていたシャムだがしばらくして再び宇宙空間と思われる画面が目に飛び込んできた。

「ああ、これじゃないよ。M-24に変えて」 

 島田が端末の隣に置かれたヘッドギアをシャムに差し出す。シャムはそれを頭につけると口元のマイクに向けて叫んだ。端末の画面が次々と変わり、そして最後に熱帯雨林を思わせる情景が目に入ってくる。

「状況は川口条約締結下のベルルカンでの治安維持活動。武装勢力への第三国の武器供与で3機のアサルト・モジュールが運用されている状況。政府軍の支援は無し。あと気をつけてね、政府系武装勢力がいるからそれを攻撃したらゲームオーバーだから」 

 シャムの言葉に端末の画面の右端の小さなウィンドウの中のアンは苦笑いを浮かべながらうなづく。

「目的はあくまでアサルト・モジュールの鹵獲または破壊。敵武装勢力の掃討は任務じゃないからね」 

『了解しました』 

 素直なアンの言葉と同時に画面が動き始める。地上を這うように進んでいることを周りの木々の動きが見るものに知らしめた。『川口条約』は東和が提唱し、同名加盟国と地球諸国が参加している軍事条約でベルルカン大陸全体でのあらゆる軍用飛行兵器の使用を禁止したものだった。当然その中で同盟の直属司法組織である保安隊が条約違反をするわけにはいかない。実際、外惑星の動乱と並んで不安定な遼州惑星南半球に広がるベルルカン大陸諸国の内戦への対応は保安隊の直近にかかわる可能性のある大事件であることは間違いなかった。

「トラップに気をつけてね。撃破されることは無くても任務に支障をきたす損害を受ける可能性は高いから」 

 シャムの言葉が終わった直後、画面が火炎で覆われることになった。

『うわ!』 

「焦らないで!そんなのたいしたことじゃないよ!狙いは別!考えて!」 

 アンはシャムの言葉にうなづくと静かに視線を落とした。

「早速センサー系と法術ゲージの確認。誠よりも筋が良いんじゃないですか?」 

 ニヤニヤ笑う島田はそう言いながら端末から伸びるサブモニター付属のキーボードを叩き始めた。



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