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遼州戦記 保安隊日乗 低殺傷火器(ローリーサルウェポン) 54

「西園寺さん!」 
 誠の言葉に階段を登ろうとしていた要が振り返る。
「法術反応です。しかもこれまでのものとは違います!これまでの誰とも違う感じです。もしかして……」 
「ここに来て急にか。これは動いたようだな……おそらく水島をここに飛ばした誰かだ」 
 カウラはそう言うととりあえず三階に向かう階段の踊り場で銃を手に上の階を警戒している要の隣でしゃがみこんだ。
「第三勢力か?でももしあのダンビラで切りつけてくるような連中が増えたらどうするよ」 
 タレ目で上官を見つめる要。カウラはしばらく沈黙した後口を開いた。
「その場合は一時撤収だな。私達の戦力ではどうにもできない」 
 カウラの言葉に遅れてきたアイシャも頷く。
「でも……」 
「神前。オマエは数に入れてねえからな」 
 失った右腕の跡をさすりながら要が天井を向いてつぶやく。
「西園寺さん……」 
 半分泣きながらの誠の言葉。しかし事実だった。法術が使える以外は要達に比べれば素人に毛が生えたような存在なのは自分が一番自覚している。女性士官三人ははじめからそれが当たり前だと言うように、少しばかりセンチメンタルな表情を浮かべている誠の存在を忘れたとでも言うように上の階を警戒していた。
「第三勢力だとしたら……戦力が気になるわね……」 
「今のアタシ等でどうにかなる相手なら……ちょうど良い転換点だ。北川達はこのままじゃ挟み撃ちだからな。油断ができれば後は双方が損耗するのを待って騒動から逃げたがってる水島を引き離してそのまま捕縛といけるな」 
 要はそれだけ言うとそのまま階段を登り始めた。
「そう上手く行けばいいけどね。いっそのこと神様にでも祈ろうかしら」 
 アイシャが誠の背中を叩く。それに気がついて誠もカウラとともに要のあとに続く。
 フロアーが広がると要は動きを止めた。静かに周りを見渡す。すでに夜と言っていい時間帯。明かりの無い廃墟では目は要だけが頼りだった。
「気配がしねえ。赤外線反応なし。北川の奴は上に向かったか」 
 そう言いながら壁伝いに三階にたどり着いた要。それを確認するとカウラと誠もその後に続いた。
「北川さんの拳銃は脅威にならないとしてももう一人の例の辻斬り。相手にするにはきついわよ」 
 アイシャの言葉に要は頷いた後そのまま四階に上がる階段に取り付いた。
「きつくても仕方がない。これ以上事態が良くなることは考えにくいからな。豊川工場からここまではどう急いでもあと十分はかかる。それまでに結果は出るだろう」 
「おう、それまでに決めるぞ」 
 カウラの言葉に振り向いてにやりと微笑んだ後要は飛ぶようにして階段を駆け上がって行った。



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