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遼州戦記 保安隊日乗 番外編 (2) 104

 先頭の岡部はそのまま廊下を無言で歩き続けた。明石の司法局本部への転勤以降は彼がチームの正捕手として君臨していた。

「それじゃあ俺達は着替えてそのまま行くから」 

 そう言い残した岡部は誠を連れて更衣室に消えた。

 すでにこの段階で階下の運行部の前での雑談がシャムの耳に飛び込んできていた。

「早いね、一日は」

「そうかもな」 

 シャムの言葉を聞きながらカウラが微笑む。医務室の前で伸びをするドムの前を軽い敬礼だけで通過してそのまま早足で階段を降りる。

「あ、お二人ともお疲れ様」 

 その声の主はアイシャ。すっかり仕事が終わってリラックスしている彼女にカウラが厳しい視線を向けた。

「鈴木中佐のいなくなってからの責任者は貴様なんだぞ」 

「なによ、突然。いいでしょ!定時は過ぎたんだから」 

 不服そうなアイシャのそでをアイシャと腐れ縁の正操舵主のパーラ・ラビロフ中尉と正管制官のサラ・グリファン少尉が引っ張る。

「大丈夫よ。じゃあ行きましょ」 

 その言葉でアイシャも更衣室に向けて歩き出した。他の運行部の女性隊員はすべて帰り。シャム達はこれから一時間半の練習が待っている。

「でも早く日が長くならないのかな」 

 愚痴るようなカウラの顔に更衣室のドアに手を伸ばしたアイシャがにんまりと笑いながら振り向いた。

「なに?練習したい?」 

「それはそうだろ?なんでもうまくなる方がいいものだ」 

 カウラはそう言うとアイシャが開いた扉の中に入っていく。シャムもまたその後に続いた。

 定時を回ったということで女子隊員が何人も着替えをしている。月末も近いだけあってその面子は全員が運行部。女子隊員の比率が次に高い管理部の部員の姿はそこにはなかった。

 シャムは自分のロッカーにたどり着くとジャージを脱ぎ始めた。

「お疲れ様ですね……練習がんばってくださいね」 

 声をかけてきたのは運行部の運用艦『高雄』の副操舵主のエダ・ラクール少尉だった。カウラの髪に似たエメラルドグリーンの髪を短く刈り込んだ姿は少しばかりりりしく見えて話しかけられたシャムは思わずどきりとした。

「うん。がんばるよ。最近は練習試合も今ひとつだからね」 

「神前が打たれすぎだ。最近たるんでるんじゃないか?」 

 シャムの言葉にすでに練習用ユニフォームのズボンに足を突っ込んでいるカウラが苦笑いを浮かべながらそうつぶやいた。




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