スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遼州戦記 保安隊日乗 番外編 (2) 134


 さらに食べてみたい。そんな顔の明石にしばらく当惑しながらシャムはビールを飲んでいた。

「頼めばいいじゃん」 

「そうか……そやな」 

 明石はそう言うと心を決めたというように立ち上がる。

「菰田!ワシにも新エビ玉や!」 

「了解!」 

 一休みでビールを飲んでいた菰田が明石の言葉に素早く階段を駆け下りていく。その様を苦笑いで見つめる明石。

「本当においしいから」 

「ああ、おいしかった」 

 そう言うとそのまま明石は自分の席へと向かう。それを見てシャムは先ほどから聞こうと思っていた誠の立ち直りについて聞けなかったことを思い出した。

「タイミングの悪い奴だ」 

 皮肉るようにそう言って最後のたこ焼きを口に入れる吉田。シャムは口をとがらせて反論しようとするが吉田の言うとおりなので何も言えない。

 シャムは気分を変えようと後ろを見た。

「おう、飲めよ……」 

 要が誠の顔面を固定するとその口をこじ開けて酒を注ぎ込もうとしている。必死に抵抗する誠。

 いつものことなので誰も気にしないのが少しばかり滑稽に見えた。

「シャムちゃん、何か気になることがあるの?」 

 暇をもてあましたようにまたアイシャが中腰で近づいてくる。彼女の話し相手を務めるはずのパーラは涙を浮かべながら春子と語らいを続けている。サラもまたもらい泣きをしながらそれに聞き入っている。

「暇なんだね、アイシャ」

「ほっといてよ。それより何か聞きたいことがあるんじゃないの?」 

 シャムはしばらく考えてみた。聞きたいこと、それは誠の復活の秘訣。最後に対戦したアイシャなら少しはそれについて知っているのではと心を決めた。

「誠ちゃんのことなんだけど……」 

「ああ、あれね。知らないわよ」 

 あっさり答えるアイシャにしばらくシャムは呆然とその色気のあるつややかな紺色の髪をなびかせる人造人間の顔を眺めていた。

「だって教えてくれるって……」

「そりゃあ知ってることなら教えるけど。私は知らないもの。明石中佐に直接聞けばいいじゃないの」 

 当然のことを言われてシャムはしばらく黙り込む。そしてシャムはなにやらランと難しい顔で入って行きにくいような雰囲気で会話をしている明石に目を向けた。




FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト

テーマ : *自作小説*《SF,ファンタジー》
ジャンル : 小説・文学

コメント

Secret

プロフィール

ハシモト

Author:ハシモト
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。