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遼州戦記 保安隊日乗 番外編 (2) 136

 だだをこねるように頭を振り回すアイシャにカウラはほとほと参ったように上座に目を遣った。

「なんだ?クラウゼは泥酔か?」 

「もう少し飲ませて寝かせたれ」 

 無責任な発言を繰り広げるランと明石。仕方がないとカウラが後ろを向いたときだった。

「任せろ」 

 要は迷わずそれまで誠に飲ませようとしていた液体を手に颯爽と現われる。

「おい、アイシャ」 

「なによ」 

 突然の要のちん入に少しばかり戸惑いながらアイシャが答える。要は得意げにグラスの中の液体を振ってみせる。

「これ、神前にやろうと思ってたけどお前にやるわ」 

「何これ?」 

「ああ、神前の野郎のグラス」 

「え?」 

 驚いたがすぐにアイシャはそれを奪い取ると中身も確かめずに一気に飲み干した。

「ほらな」 

 要の言葉の終わると同時にぱたりとアイシャは倒れ込んだ。

「大丈夫なの?要ちゃん」 

「まあな。最近は加減を覚えたから。何度も神前の裸踊りを見るのは飽き飽きしていたところだから」 

 それだけ言うと要は何事も無かったように去っていく。倒れたアイシャにじっと視線を落とすシャム。

「本当に大丈夫なのかな?」 

「大丈夫なはずだ。私達の体は本来毒物に対する耐性が強いからな。理性が飛ぶことはあっても死にはしないだろ」 

 まるで心配する様子のないカウラに少し呆れながら上座を見る。

 じっとこちらを見ているのは先ほどからランと明石の会話を聞かされ続けて退屈している岡部だった。

「岡部ちゃん。とりあえずこれを部屋の隅に運ぼう」 

 シャムの言葉で針のむしろから解放されると嬉々として歩いてくる岡部。正座が続いていたからかどうにもその足下が不安定だった。

「大丈夫なの……岡部ちゃんも」

「ちょっと痺れて……」 

 足が気になるというように何度か屈伸をする。すっかり血行の悪くなった膝がどうにも思うようにいかずに岡部はごろりと倒れ込んだ。





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