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遼州戦記 保安隊日乗 殺戮機械が思い出に浸るとき 56

止まった車の中に入り込む日差しはまだ弱く、少しばかり眠気を誘う。

「眠いわね……」 

思わず呟いたアイシャにカウラが苦笑いを浮かべる。

すぐに前の車が動き出した。

「意外と早く入れたりして」 

「それは無いだろう。たまたまだ」 

要の言葉を軽く否定するとカウラはそのまま車を動かす。

「こんな良い日より……いつまで続くか……ガイガーカウンターでも買おうかしら?」 

「ああ、売り切れ続出らしいな。そういうところはちゃっかりしている庶民様だ。まあそんなことをしたところで降り注ぐ放射線を払うことなんてできねえのによ……」 

また振り出しに戻る会話。

太陽の力はまだ弱く。アイシャと要に弱音を吐かせる勢いは無い。ただ、その眠気は着実に襲ってきているようで次第にアイシャの口数が減り始める。

「まあ……梅でも見て。帰りに酒でも買って帰るか? 」 

「お前はそればかりだな」 

要の言葉にカウラはいつもの呆れたという笑みを浮かべる。誠がちらりと助手席を見れば、すでにアイシャはうたた寝を始めていた。

「眠くなるのも分かる日差しだな……暖房も適度だし……アタシも寝ようか? 」

「遠慮するな。静かで気楽になる」 

カウラの言葉に要はパッと目を見開いて誠を睨み付ける。

「あ……ただ見てただけですよ」

「で? 見た感想は? 」 

「え? まあ……眠そうだなと……」 

「そうか……」 

少し残念そうに俯く要。誠は彼女が何を求めていたのか分からずにただ仕方なく自分も眠れるように背もたれに頭を載せた。

「また動くな……やはり早く着くんじゃないか? 」 

車が動き出すと要は勝手に呟いていた。確かに明らかに早めに車は動いていた。駐車場の存在を示す看板も見え始めている。

「早く着くと良いですね……」 

睡魔と戦いながら誠は投げやりにそう呟いていた。


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