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遼州戦記 保安隊日乗 殺戮機械が思い出に浸るとき 118

「空に浮かんでいるのがネットで出ている地殻すらぶち抜く大砲でも……頼りになるのはシャムだけか……」 

あきらめを孕んだカウラの声に要がぴくりと眉を動かした。

「おいおい、それはいくら何でも神前の野郎に失礼じゃないのか? 」 

「そんな失礼だなんて……」 

愛想笑いを浮かべながら呟いた誠を要が鋭い視線で睨み付けた。

「事実だろ? 確かにあの砲の威力も干渉空間を展開すればおそらくは耐えきれる」 

「なら問題ねえじゃねえか」 

あっさり答えた要にカウラはひたすら大きなため息をついた。

「要ちゃん……いくら防いでも壊せなきゃなんにもならないじゃないの。それとも出来るの? 誠ちゃんに砲台の破壊。あんな撃ってそれで終わりなんて言う甘っちょろい代物が浮かんでいるんだったら東和宇宙軍も護衛の艦隊ぐらい配置しておくはずよ。スタンドアローンで敵中突破が可能な防御性能くらいはあると考えるのが普通じゃないかしら? 」 

アイシャの言葉に思い当たることがあるというように要の表情が変わる。

「ほら……誠ちゃんじゃ対応は無理。おそらく07式を駆るランちゃんは部隊の指揮で手一杯……攻撃に当てられてしかも成果が期待できるとなるとシャムちゃんのクローム・ナイト以外は想像が付かないんだけど……」 

「まあな……でもあいつも遼南内戦で知られた猛者だ」 

苦し紛れの要の言葉に再びカウラが大きくため息をつく。

「こちらの手札は一枚。相手は……もし東和宇宙軍があれの確保を優先するとなれば艦隊規模で向かってくるわよ……勝ち目はゼロね。まあそうなれば遼州同盟崩壊の主犯になるからそれは無いとしても……東和宇宙軍と噂の絶えないゲルパルトのいくつかの公然武装組織。あるいは大統領の超法規的判断で動いたアメリカ海兵隊。これはあまり考えにくいけど個人的なつきあいの関係で遼南宰相のアンリ・ブルゴーニュ氏のつながりでフランス海軍や海兵隊が動くって可能性も……」 

「ぐちゃぐちゃうるせえな! ともかくシャムが潰せば良いんだよ! 」 

「ああ、そのシャムなら今日は有給だよ」 

ハンガーの奥から叫び声が聞こえた。そこにはタバコを咥えた嵯峨の姿がある。

「お前ら……想像力を働かせるのは大変結構な話なんだけど……やることやってからにしてくれよ。とりあえず着替え。それと終わったら隊長室に来て謹慎開けの報告。それが終わったらランの奴からレポート用紙預かってるからそれに反省文を記入して今日中に提出。お願いね」 

それだけ言うと嵯峨は悠然とハンガーの階段を上って隊長室のある二階に消えていった。

「とりあえず着替えか……」 

カウラのその言葉を合図に誠達は嵯峨が立っていたハンガーから二階の執務室や更衣室のあるフロアーへ向かう階段へと急いだ。


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